なんだか気になる脇のニオイ。これってワキガ?!
誰にも言われたことはないけれど、もしかしたら・・と気にしている方も少なくない「ワキガ」の悩み。
中には手術を検討中の方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、どうして脇が臭うのか、ワキガのニオイを抑えるにはどうしたらよいかなど、手術や手術以外の対策についてご紹介していきます。
ワキガとは?
手術などのワキガ対策を考える前に、まずワキガについて知っておきたいですね。
ワキガが起こる原因はアポクリン腺
ワキガは、医学的には「腋臭症」「アポクリン臭汗症」といいます。
人間の体には、さらさらとした汗を分泌する「エクリン腺」とべたべたした汗を分泌する「アポクリン腺」という、2種類の「汗腺」があります。
実はもともとどちらも無臭の汗であり、原因は皮脂腺から出る皮脂や皮膚の常在菌なのです。
症名からもわかるように気になるニオイのもとは「アポクリン腺」からの汗ですが、この汗に含まれる皮脂や老廃物が皮膚にいる常在菌によって分解されると、独特なニオイを発するのです。
全身に存在する「エクリン腺」と異なり「アポクリン腺」は脇の下や陰部、耳の穴など特定の部位にあります。
特に脇の下に多くある「アポクリン腺」ですが、脇毛が太くて多かったり生まれつき「アポクリン腺」の数が多い人ほどワキガになりやすい傾向にあります。
ワキガって人にうつるの?
ワキガの人から洋服を借りたりすると、ワキガがうつるのでは?と心配な方もいるかもしれませんね。
ワキガは体質や遺伝などによる症状なので、絶対に人からうつるということはありません。
ただし、ワキガのニオイはうつる可能性があるので、洗濯の際などは注意するといいでしょう。
私ってワキガ?セルフチェックをしてみましょう
もしかして「ワキガ」かも?と思っても、なかなか人に相談しにくいですよね。
「ワキガ」かどうかを判断する明確な基準はないのですが、次の項目に当てはまるとワキガの可能性があります。
耳垢が常に湿っていてドロッとしている
耳の穴にはさらさらした汗を分泌する「エクリン腺」はありません。
もし耳垢が常に湿っているなら、それは「アポクリン腺」から分泌された汗によるものです。
耳の穴に「アポクリン腺」が多い人は脇の下にも多く「アポクリン腺」があるため、ワキガの可能性が高いといえます。
両親またはどちらかがワキガである
ワキガの主な原因は遺伝によるものと考えられており、両親またはどちらかがワキガであれば、子供もワキガになりやすいです。
肌着が黄ばみやすい
ワキガの人の汗には脂質やタンパク質などが含まれているので、一般的な汗ジミではなく黄色っぽいまたは茶色っぽいシミになります。
実際にニオイを嗅ぐ
「ワキガ」のニオイは酸っぱいようなスパイスのようなニオイといわれています。
5分ほど清潔なタオルを脇に挟み、嗅いでみてそのニオイがしたらワキガである可能性が高いです。
アメリカやヨーロッパの人はワキガが多い?
欧米人のおよそ7割、黒人は9割以上が「ワキガ」です。
理由としては、もともとの体質や文化、肉類・香辛料を多用するなどの食生活が大きくかかわっていると考えられています。
本来日本人は魚や穀物、海藻などを中心とした食生活を送ってきたので、どちらかというと体臭が薄い傾向にあります。
しかし肉を中心とした高カロリーな食生活をしていると中性脂肪が蓄積され、アポクリン腺や皮脂腺の分泌を活発化させてワキガなど体臭の原因になってしまいます。
また欧米人などは日本人に比べるとやや体温が高く汗をかきやすいため、体臭を発散しやすいといわれています。
ワキガは男女どちらがなりやすい?
「ワキガ」の男女比はほぼ1:1で、どちらがなりやすいということはありません。
女性のほうが体臭などのニオイを気にすることが多く、治療を受ける割合でいえば女性のほうが多いそうです。
また「ワキガ」は思春期以降に始まることが多く、女性のほうが二次性徴を迎えるのが早いため、思春期の男女では女性のほうが多くなるといわれています。
さらに女性の場合は生理周期も影響するため、ホルモン分泌によりニオイを強く感じる期間があります。
ワキガにミョウバンって本当に効くの?
ミョウバンには制汗効果や消臭作用があるといわれていますね。
食品添加物の一種であるミョウバンは水に溶けると酸性になるという特徴があり、ワキガの原因となる雑菌の繁殖を抑える効果や、アルカリ性のニオイ成分に対する消臭効果があります。
ミョウバンそのものを使ったりミョウバン水を作ったりとやり方は様々ですが、正しい使用法で行うと効果があるようです。
ワキガ臭を抑える対策方法
ワキガケア用品でワキガ臭対策
「ワキガ」対策のためのさまざまな商品がありますが、成分や価格、クリームタイプやスプレータイプなど何種類もあり、選ぶのに迷ってしまいますよね。
制汗作用&殺菌作用があり長時間効果が持続するクリームタイプが人気のようですが、肌への刺激が少ないタイプを選ぶといいでしょう。
また、厚生労働省によって効果・効能が認められた成分を配合している商品は、パッケージに「医薬部外品」または「薬品」と記載されていますので、商品を選ぶときにチェックするといいですよ。
どんな商品でも、使いすぎると毛穴に残って雑菌の繁殖を促してしまい、逆にニオイの原因になることがあるので、使用上の注意をよく確かめることをおすすめします。
その他、病院では市販の商品より効果のある塗り薬や飲み薬を処方してくれることもあるので、一度相談してみるのもいいでしょう。
普段の食事・生活習慣でワキガ対策
食生活や生活習慣を見直すことも有効なワキガ対策です。
脂質の多い肉類やスナック菓子、乳脂肪分の多い牛乳やチーズなどを過剰にとりすぎるとアポクリン腺が刺激され、ニオイがきつくなりがちです。
おすすめなのは大豆製品や野菜、魚などを中心とした和食です。
また、飲酒や喫煙によってもアポクリン腺の分泌が活発化されますので、控えるといいでしょう。
不規則な生活やストレスはワキガだけでなくさまざまな体臭のもとです。
生活リズムを整え、リラックスできる環境を作ってみてはいかがでしょうか。
ワキガを手術で治す
ワキガは手術によって治すことができるといわれています。
手術といっても病院によってさまざまな方法があり、費用や治癒期間なども異なりますが、最も一般的な方法は「皮弁法」です。
「皮弁法」について
局所麻酔を行い脇の皮膚を切開し、アポクリン腺を目で見て切除していくやり方です。
多くの場合、切開部分は3~5cmほどです。
ほとんどの病院で日帰り手術が可能で、傷口が治るまでの3~4週間は術後の経過観察のために数回通院が必要になります。
(片脇ずつ行うか、両脇行うかなど治癒・通院期間には個人差があります)
気になる費用ですが、ワキガ手術は保険適用のため、3割負担の場合でだいたい4万~5万円です。
メリット
ワキガの手術を行うとニオイだけでなく脇毛がかなり減少し、汗も少なくなります。
デメリット
①目で見てアポクリン腺を除去するため、ドクターの技術により結果が異なり、取り残しがあると再発することもあります。
②脇のシワに沿って切開するため目立ちにくいのですが、やはり傷跡が残ってしまうことが多いです。
そのほか、手術以外に塗り薬での治療法もありますが、塩化アルミニウム液の処方は保険適用外ですので、全額自己負担になります。
また医師による診療が必要ですが、市販のものよりも効果がある医療制汗剤の処方箋を出してもらえますので一度相談してみるのもいいでしょう。、
汗をかいた時のワキガのお手入れ方法
汗をかくと特にニオイが気になりますよね。
シャワーを浴びるなど清潔にすることが大切ですが、外出先などではこまめに汗を拭きとるように心がけるといいでしょう。
乾いたタオルでもいいのですが、市販のデオドラントシートで拭き取るだけでもかなりニオイが違いますよ。
ワキガの人はワキガを切るべき?
手術によってアポクリン腺を完全に除去すればニオイはほとんどなくなりますが、近年では塗り薬による治療のほか、レーザー治療やボトックス治療など、切らずに治す方法があります。
まずはドクターに相談してみることをおすすめします。
ワキガの黄ばみ・黒ずみの対処法
ワキガによる衣服などの黄ばみや黒ずみは汗ジミとは異なるため、漂白剤で落とすことは難しいですよね。
この場合は重曹が活躍します。
水500mlに重曹大さじ1を溶かしたものに、シミの気になる衣服を浸して1晩おいてから普通に洗濯します。
重曹には消臭効果もあるのでせひお試しください。
また汗をかいた衣服は放置せず、できるだけ早く洗うことも効果的です。
子供がワキガの場合の対処法
両親またはどちらかがワキガの場合、子供もワキガになる可能性が高いのですが、子供がワキガかどうか気づくのは思春期(第二次性徴)のころが多いといわれています。
思春期は代謝が活発になるため汗の量が増え、ワキガに限らず体臭が気になりだす時期ともいえますね。
また思春期といえば多感な時期ですので、精神面でのケアも大切です。
まずはよく話し合って、一緒に対策を考えるといいでしょう。
ワキガは手術以外でも治せます
ワキガ対策の最終手段ともいえる手術による治療のほかにも、できることはあります。
まずは食生活や生活習慣の見直しをしてみませんか。
また病院での治療を選ぶのなら、よく話を聞いてくれて説明も丁寧なドクターを探すことをおすすめします。